友人のaちゃんが旅立った日
その日は、16年ぶりに大学時代の恩師に再会した日
ブルームーンで再会し、帰ったら電話がなった
aちゃんは、ガンの闘病10年だった
最後の半年、毎週ご飯をとどけた
配達の時は、話を沢山したし、最後入院するまで
お手当も毎週通った
日本では、使った人がいないという抗がん剤を使うのが
自分の最後の治療になるとaちゃんは、言っていた
西洋医学の治療がなくなったとしても
できることあるのでは、と思い、断食道場や食事療法を提案した
aちゃんは、自分ですべてを選択して
家族みんなに囲まれて、穏やかに息をひきとった
アナスタシアという本で、種を舌下にいれそのあと蒔くと
その人に必要な野菜が育つと知り、私は、aちゃんの種を蒔いた
結果、トマトは青く間に合わなかった
キュウリももう少しだった
aちゃんが旅立ってから、aちゃんの苗たちは、枯れ始めている
実もあまりついていない
「本の話、本当かもしれないね」
私は、aちゃんと心で会話する
青い実は、包んで旅立ちの日にaちゃんに届けた
aちゃんのあかるく朗らかな生き方が私のなかに
生き続けている
「ともよちゃん、おいしいごはんは、人を救うよ」
aちゃんは、からあげが大好きだった
ハンバーグもミートソースも大好きだった
最後の半年、私たちは急接近し、
笑ったり泣いたりした
配達したお惣菜を、きれいにお皿にもりつけて
写真をとってくれたりしていた
そのときの交換日記は、まだ、見れない
「私たち、映画になりそうだよね」
そんなことを言って二人で大笑いした